昭和52年夏、岡山へやって来ました。
秋口に、岡山H商高を営業訪問、すでに音楽界にも名を馳せていたG先生と面会。
談を交わしました。
長身、知的な紳士、男性的、映画俳優のような容姿。
新米、若僧の私に、丁寧な対応、語りをして下さいました。
何度かお会いすると、いつも丁寧な返礼を下さいました。
吹連の宴会では、遅咲きの教師の私に、苦労の教職経験談を聞かせて下さいました。
急逝を聞き、葬儀に参列すると、葬儀場周囲の道路に教育界、音楽界、教え子の方々の
長蛇の列。 沿道には、故人作曲の美しい音楽が外部スピイカ-から流されていました。
今春、我が団の定期で故人の遺作特別演奏が決まりました。
練習を始めると、G先生お気に入りの音楽の集大成という旋律、フレ-ズの数々。
夏の終わり、私は夢の中で、幻を見るように思い出しました。
「私は、このi年間、委託作品の作曲でほんとうに疲れました。」と
G先生は、あの秋口、初対面の私に語ってくれたのです。
「瀬戸の展望」、故郷駿河湾の大きな波しか知らなかった私が、初めて知った
何とも静かで穏やかな海、故人が表現した美しき遺作。
演奏致します。
美しき故人の遺作へ。 Euph M.M